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家のこと(新築)
2021.12.07. TUE
省エネ、断熱、創エネの「ZEH住宅」

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ZEH(ゼッチ)住宅とは?

近頃よく耳にする「ZEH(ゼッチ)」という言葉。
ZEHとは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス の略ですが、これだけではなんだかよく分かりませんよね。
環境省によるとZEHとは
「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ、大幅な省エネルギーを実現したうえで、再生可能エネルギー等を導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指した住宅」
のことを言うそうですが、イマイチこの説明を聞いてもピンときませんよね。
簡単に言うとZEH住宅とは、
「省エネ」+「創エネ」+「断熱」を組み合わせることによって、一次エネルギー収支をゼロ以下にする住宅のことです。
政府はこのZEHを、これからの新築住宅の標準にしようという目標を掲げています。
ではなぜ、いま、このZEH住宅に注目が集まっているのでしょうか?
※環境省HP参照
ZEH住宅が注目されるようになった経緯

一体なぜ、政府がこのZEH住宅をこれからの標準仕様にしようとしているかというと、それは、エネルギー資源に限りがあるからです。
私たちが快適な暮らしを送るためには、エアコンや照明と言った電気を使用しますよね。
これらはすべて一次エネルギーと言われるもので、石油や天然ガス、火力・風力などの自然から採取するエネルギーのことを指します。
そう、自然から採取するエネルギーということは、その資源には限りがあるということ。
使い続ければ、どんどん無くなっていってしまうのです。
そこで日本は、住宅における一次エネルギー消費量を減らそうという目的から、ZEH住宅を推奨することになりました。
ZEH住宅ならば、エネルギーを自給自足することができるので、一次エネルギー消費量を±0にすることができるからです。
使う分だけ、各家庭がエネルギーをつくり出すことができれば、資源が枯渇してしまう心配がありませんね。
ZEH住宅に必要な三大要素

ZEH住宅として認められるためには、以下の3つの要素を満たしていなければなりません。
- 省エネ性能
- 断熱性能
- 創エネ性能
これらについて詳しくご紹介しましょう。
①省エネ性能
ZEH住宅では、省エネ効果の高い設備を導入することで、一次エネルギー消費量を20%以上削減することが求められます。
この省エネ効果の高い設備というのは、具体的にいうと以下のようなものです。
・HEMS(家庭内のエネルギー消費や創エネを管理、コントロールして効率化を図るシステム)
・エコキュートなどの高効率な給湯機システム
・省エネ家電(エアコンや冷蔵庫など)
・LED照明
など。
これらを取り入れることで、一次エネルギー消費量を抑えるだけでなく、設備性能が高くなることにより、これまで以上に快適な暮らしを実現することができます。
②断熱性能
夏は涼しく、冬は暖かく過ごせることができれば、冷暖房に頼り過ぎない生活を送ることができますよね。
だからこそ、ZEH住宅には断熱性能を高めることが必須。
具体的に言うと、
・外気温に左右されにくい高性能な断熱材を取り入れる
・結露しにくいサッシや窓の取付け
などの工夫が必要となります。
③創エネ性能
創エネとは、エネルギーを創り出すということ。
ZEH住宅では、エネルギーを創る「太陽光発電システム」の導入が必須ポイントなのです。
太陽光発電システムを導入し、電力を自家発電すれば、家庭で使用する一次エネルギーを極力減らすことができます。
さらに、蓄電池を併用することで災害時にもある程度不自由なく暮らすことができるのです。
ZEH住宅を導入するとどんなメリットがあるの?

では、ZEH住宅を導入するとどんなメリットがあるのでしょうか?
メリット①1年中快適に暮らせる
ZEH住宅は、先にご紹介したとおり、断熱性に優れているので、年間通して快適な生活を送ることができます。
外はジメジメと暑い夏も、遮熱・断熱をしっかり施した室内であれば、室内温度が上昇しすぎないため、涼しくちょうど良い気温を保つことができるのです。
逆に寒い冬は、外の冷気が室内に伝わりにくいので、必要以上に暖房器具を使わなくても過ごしやすい室温を保つことができます。
おうちで過ごす時間が増えた今、このように家が快適な場所であるというのは、家族にとって非常に重要なこと。
より快適に・心地よくなることで、暮らしそのものがグレードアップすることでしょう。
メリット②光熱費を削減できる
前述したように、ZEH住宅は、断熱性能が高いため、冷暖房に頼らなくてもをあまり年中快適に暮らすことができます。
電気代は年々値上がりしていますよね。
特に暑い夏は、エアコンの使用による電気代の上昇が家計の大きな負担になります。
一般的に、4人家族の世帯では、平均約14万円/年(2020年総務省統計)と言われていますから、少しでも削減することができれば、その分、教育資金や老後の貯蓄へとまわすことができるはずです。
将来的に見て、何が「お得」なのか、考えるいい機会かもしれませんね。
メリット③家族の健康が維持できる
寒い時期になると、よく話題となるのが「ヒートショック現象」。
ヒートショック現象とは、部屋から部屋へ移動するときに、極度な気温差によって血圧が上昇し、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす健康被害のことを言います。
たとえば、暖房で温められた快適なリビングから、寒い廊下に出るときや、寒い脱衣所から、熱いお風呂に入るときなど、急激な温度の変化が起こることで発症します。
このヒートショック現象は、交通事故で亡くなる人のおよそ2倍もいると言われていますから、決して他人事ではない、身近に起こることなのです。
ZEH住宅であれば、断熱性能が高いため、部屋と部屋との温度差をとても少なくすることができるため、このようなヒートショック現象を予防することができます。
加えて寒い家だと起こりやすい、風邪の症状やアレルギー症状などのリスクも軽減。
断熱性能の高い「暖かい家」で暮らすことは、家族の健康維持に必要不可欠と言えるでしょう。
メリット④万が一のときも安心・安全に暮らせる
ZEH住宅では、エネルギーを自給自足します。
これは、普段の生活において、光熱費を節約することにもつながりますが、万が一の災害時にも役立てることができるのです。
それは、ZEH住宅には欠かせない太陽光発電システムという存在。
太陽光発電システムで電力を自家発電することができれば、停電が起こった際も、ある程度普段どおりの生活を送ることができます。
加えて蓄電池を併用すれば、日中蓄えておいた電力を、夜間に使用することができるのです。
家族の安心・安全を思えば、これは大きな魅力の1つですね。
メリット⑤住宅の資産価値が上がる
ZEH住宅は、BELS(ベルス)において、★4~5つを取得することができるので、資産価値が上がることもあります。
BELSとは、建築物省エネルギー性能表示制度と言われるもので、住宅の資産価値を評価表示する制度です。
もし仮に、住宅を手放すことになったとしても、BELSによって分かりやすく資産価値が示されれば、高値で売却することができるかもしれません。
ZEH住宅を導入する際の注意点

ZEH住宅を導入する際は、以下のことに注意しましょう。
注意点①コストがかかる
ZEH住宅として認められるためには、先述したように様々な設備を導入しなければなりません。
そのため、一般的な家よりもコストがかかることがあります。
しかし、そうは言っても長い目でみれば、光熱費を削減できたり、家族が健康になることで医療費の節約になったりするので、どちらが本当にお得であるかは、よく考えたうえで導入を検討しましょう。
注意点②補助金制度の内容が変更になることもある
ZEH住宅を新築またはリフォームした場合、補助金が受けられる制度があります。
ただし、補助金で受けられる額が毎年変更になるため、思っていたよりも実際受け取れる金額が少なかった…ということもあり得ます。
建築時には、補助金額についても確認しておきましょう。
ZEH住宅で地球にも家族にもやさしい家づくりを目指そう

ZEH住宅というと、難しく考えてしまいがちですが、実はとてもシンプル!
ZEH住宅にすると、光熱費や医療費を抑えられたり、家での暮らしが豊かになったり…と、メリットは多くあります。
無添加計画では、受給できる補助金と導入するイニシャルコスト、性能、一生涯のランニングコスト、ご希望ご要望を含め、ライフプラン、ライフスタイル、メリット、デメリットなどなど、総合的なバランスを検討の上、ZEH住宅を採用するかどうか判断することをおススメしています。
また、無添加計画が推奨する省エネ・断熱性能を前提としたミニマムエネルギー住宅やZEH住宅とは異なる、ZEHはZEHでも、創エネ=太陽光発電や高性能エアコンなどの設備や機械に頼った「メカZEH」と呼ばる家づくりも存在します。
家づくりにおいて何を重視するかは人それぞれですが、家で過ごす時間が長くなった今だからこそ、マイホームについて深く考えてみてはいかがでしょうか。
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