ベタ基礎と布基礎の違い

地震に強い住まいを実現する「ベタ基礎」

基礎とは、家づくりにおける重要な部分。
建物の重量を支え、安定させるために設ける建物の“最下部”の構造のことを指します。

◎建物を支えるのに十分な構造であるか
◎一部の地盤が下がっても壊れない構造であるか

この2点が、基礎の重要な役割というわけです。

現在日本では、主に「ベタ基礎」と「布基礎」の2つの工法があります。

ベタ基礎とは?

地震に強い住まいを実現する「ベタ基礎」

ベタ基礎は、建物の底板一面に鉄筋コンクリートを流し込んでつくる基礎のこと。
1枚の大きなコンクリートの板に建物がのっているような状態をイメージすると分かりやすいと思います。
建物を大きな「面」で支えるため、地震や台風などの衝撃を効果的に受け流すことができます。

布基礎とは?

地震に強い住まいを実現する「ベタ基礎」

布基礎とは、建物の下に逆T字状のコンクリートを打ち込んで支える基礎のこと。
ベタ基礎が「面」で支えるのに対し、布基礎は「点」で支えます。
地面の奥深くに入って建物を支えるイメージです。

私たち無添加計画の家づくりでは、基礎は「ベタ基礎」を推奨しています。
ベタ基礎にすると、どんなメリットがあるのでしょう?
今回は、家づくりにおいて欠かせない「基礎」についてご紹介します。

ベタ基礎のメリット3つ

地震に強い住まいを実現する「ベタ基礎」

先述したように、基礎と言うのは非常に重要な部分です。
基礎がしっかりしていなければ、地震や風の揺れによって、建物が傾いてしまうことがあるからです。

ベタ基礎にした場合、どのようなメリットが得られるのか見ていきましょう。

メリット①耐震性が高まる

ベタ基礎は、柱の位置に関係なく、建物下全体に基礎があります。
基礎の面積が広いため、建物の荷重を分散させることができ、点で支える布基礎より、安定した基礎になるでしょう。

地震や台風などからしっかり家を守ってくれるため、安心ですよね。
耐震性が高いことから、このベタ基礎工法は、阪神淡路大震災以降に普及し始め、現在では多くの住宅で採用されるようになったんですよ。

メリット②地面からの湿気やシロアリの侵入を防ぐ

ベタ基礎は、地面を鉄筋コンクリートで覆うため、地面からの湿気が建物まで上がってくる心配がありません。
建物に発生する結露やカビ・ダニを防ぐことができるでしょう。
加えて、地面からのシロアリの侵入も防いでくれるので、まさに一石二鳥!

木造住宅にとっては、シロアリやカビ・ダニというのは家の寿命を左右するほどの大きなダメージを与えてしまうものです。
基礎としての役割に加え、このようなシロアリやカビ・ダニの対策までできるのは嬉しいですよね。

メリット③不同沈下が起こりにくい

不同沈下とは、建物が不揃いに沈下することを言います。
水平状態を保って沈下するのではなく、家がどちらか一方に傾いた状態になってしまうということです。

不同沈下が起きると、耐震性が低くなるのはもちろんですが、生活面でも私たちの健康に支障をきたします。

実際、布基礎で建てられた家は、阪神淡路大震災後に、基礎が割れてしまう「基礎の座屈」が起き、建物までもが倒壊してしまった家が多かったそうです。

基礎の剛性を高める「コーナーハンチ」

地震に強い住まいを実現する「ベタ基礎」

「コーナーハンチ」とは、基礎の隅のコーナー部分を斜めにカットしているものです。
建物には、台風や地震によって「ねじれ」の力がかかりますが、この「ねじれ」を受け止めるのは、主に基礎の部分。

そして特に強い負荷がかかるのは「基礎の角」の部分ですから、コーナーハンチをつくって基礎の剛性を高めると、耐震性がアップするのです。
安心な家づくりには、基礎剛性を高める工夫というのも必要かもしれません。

液状化から守る「SG(スーパージオ)工法」

地震に強い住まいを実現する「ベタ基礎」

地震の揺れだけでなく心配なのは「液状化現象」。
まだ記憶に新しい東日本大震災。
このときに、各地で液状化現象が起こり、多くの注目を集めましたよね。

この液状化現象から建物を守ってくれるのが「SG(スーパージオ)工法」です。
スーパージオ工法は、地盤改良の技術の1つ。
不安定なところにある重い地盤を、軽い人工地盤へと置き換え、地盤に対する負荷を軽減するという方法なのです。
これにより、建物による強い揺れを最小限にとどめることができます。

さらに、地震が発生したときに、この人工地盤が一時的に水を取り入れてくれるので、地表に水が噴出する「液状化現象」が起こるのを防ぐこともできます。
液状化現象が起こると、地盤沈下で建物の傾きや、倒壊してしまう恐れがありますから、液状化対策をしっかり行うことも重要ですね。

家を支える基礎について知っておこう

地震に強い住まいを実現する「ベタ基礎」

家を支える“要”となる基礎の部分。
目に見えないからこそ、しっかり考えたいものですよね。

私たち無添加計画では、今回ご紹介したベタ基礎工法を推奨しています。
しかし、ベタ基礎だからといって、100%地震に強いとは言い切れません。
これに加えて、しっかりとした構造計算と地盤改良工法を行い、より地震に強い家づくりをすることが大切です。

いつどこで起きるのか分からない自然災害。
せっかく建てた家が、地震で傾いたり住めなくなったりしては大変です。
家族の命だけでなく、家族の財産を守るために、より安心できる基礎工法を選択してくださいね。