家の防音性能を高くする必要はある?

音量を見える化する「防音性能検査」

断熱性や気密性など、最近の家づくりは、性能の高さが求められていますよね。
家で過ごす時間がより快適でリラックスした空間になるよう、様々な工夫がされています。

今回のお話は、防音性能について。
特にピアノを弾くわけでもないし、大音量で音楽を聴くわけでもない…。
そんな人にとって、家の防音性能を高める必要性はあるのか気になりますよね。

“音”というのは、ピアノや音楽だけに限りませんし、自分の家から発するものだけでなく、周りの環境から発する音もあります。
いい音もあれば、不快な音もあるでしょうし、普段は気にならない音でも、状況によっては「不快な音」に変化することもあるでしょう。

つまり、家を本当に心落ち着く環境にするためには「防音性能」を高めることが、とても重要なことなんです。
今回は、家の防音性能を高めるメリットや、防音性能を測定する方法についてご紹介します。

家の防音性能を高める3つのメリット

防音性能を高めると、家での暮らしがもっと快適になるはずです。

具体的にどのようなメリットがあるのか、見ていきましょう。

メリット①近隣トラブルを防ぐことができる

家の防音性能が低いと、何気ない家から発する“音”によって、近隣トラブルに発展することがあります。

たとえば、
・子どもや赤ちゃんの声
・ペットの鳴き声
・テレビやオーディオの音
・掃除機などの家電製品の音
・家族の話し声
・ピアノなどの楽器音
など。

これらは、生活する上で出てしまうやむを得ない“音”ですが、聞く人や聞く人の状況によっては、「うるさい」と感じてしまいます。
テレビの音や人の話し声は、配慮することで多少改善することができますが、赤ちゃんや子どもの声、ペットの鳴き声というのは「静かにしなさい」と言ってもなかなか難しいですよね。

しっかり防音性能を高めた家に住めば、外部への音漏れの心配がなく、快適に暮らすことができるでしょう。

メリット②外部からの騒音ストレスを軽減できる

“音”というのは、自分の家が発生源になるだけではありません。
たとえば、電車や自動車の音、通行人の話し声など様々な外部からの“騒音”も積み重なれば大きなストレスになるでしょう。

特に夜間は、シーンと静まり返っていますから、外部からの騒音が気になって眠れず、睡眠障害を引き起こしたり、それが原因で体調不良になったりすることもあります。
最近では、自宅で勉強や仕事を行う人も増えていますから、日中であっても環境によっては、音がうるさくて集中できないとストレスを抱える人もいるかもしれませんね。

このように外部からの音をなるべく抑えて生活するためには、やはり防音性能を高めた家づくりが大切です。
特に寝室や子ども部屋などは、安眠できる環境をつくりましょう。

メリット③プライバシーを守ることができる

防音性能が低いと、家族の会話や電話の話し声も外に漏れ出てしまうことがあります。
会話の内容によっては、プライバシーにかかわることもあるので注意したいところでしょう。

場合によっては、個人情報が流出したり、近所の噂話のネタになったりすることも…。
友人を招いてホームパーティーをする際や、家族みんなで過ごすおうち時間を楽しくするためにも、防音性能を高めた方が安心と言えますね。

家の防音性能の測定方法は?

音量を見える化する「防音性能検査」

家の防音性能を確かめるためには、高機能騒音機にて測定します。

測定方法

同じ条件で発生する音を「屋外」と「室内」で計測します。
「屋外」と「室内」で表示された結果を見て、どれだけ防音効果があるのかを検査します。

私たち無添加計画では、この一連の検査を、引き渡し前または引き渡し時にお施主様と一緒に確認し、説明していきます。
数値化されることで、非常に分かりやすく防音効果を感じてもらえると思いますよ。

ちなみに、私たちの家づくりではセルローズファイバーという吸音効果の高い内断熱材を使用しています。
このセルローズファイバーを隙間なく入れ込むことで、高い防音効果が得られますが、玄関や開口部などの極端な場所や家具から伝わる振動音など全てを防音することはできません。
このような点もあらかじめ知っておくといいでしょう。

音量(デシベル)の定義とは?

音量を見える化する「防音性能検査」

音の大きさや電波の強さを表す際に使われるのが「デシベル(dB)」。
騒音計にて検査し、表示された「○○デシベル」という数値を見ても、あまりピンと来ないという方も多いですよね。

以下に身近な音の例とデシベルの関係についてご紹介します。

120dB / 飛行機のエンジン音
110dB / 車の警笛・ピアノ
100dB / 電車が通る時のガード下
90dB / 騒々しい工場の中・カラオケ
80dB / 電車の車内
70dB / 騒々しい事務所・電話のベル
60dB / 普通会話・静かな乗用車
50dB / 静かな事務所・エアコン(室外機)
40dB / 図書館・市街地の深夜
30dB / ささやき声・郊外の深夜
20dB / 木葉のふれあう音・置時計の秒針

音量デシベルの定義

基準となる音圧は通常人の耳に聞こえる最小音の2×10-5N/m2と比較してどの程度大きいという表現です。

音量(dB)=20×log(対象の音圧/基準音圧)

上記でわかるとおり、数値が高ければそれだけ、人は「不快だ」と感じる音になっていきます。

しかし、音の感じ方には個人差がありますよね。
一般的には50デシベルくらいになると「少し気になる程度」に、60デシベル以上になると「うるさい」と感じるようになるそうです。

さきほど、睡眠障害について少し触れましたが、睡眠時においては40デシベル以下がの音の低さが求められると言います。
これ以上だと、気になって眠れなかったり、深い眠りにつけなかったりするかもしれません。
特に寝室や子ども部屋周りの防音性能については、しっかり確認しておきましょう。

暮らしやすさのための「防音性能」

音量を見える化する「防音性能検査」

がとても大切です。
せっかく家を建てたのに、周囲の音が気になって落ち着いて暮らすことができなかったり、騒音トラブルで近隣からクレームが来てしまったりしては悲しいですよね。

防音対策をするには、家のサッシや窓、断熱材や遮音シートなど設備そのものをしっかり見直すことはもちろんですが、それだけでなく、普段からの気配りも大切でしょう。
特に二世帯住宅など、生活時間帯が異なる世帯が一緒に住む場合は、それなりの配慮をして、気持ち良く過ごすようにしたいものです。

私たち無添加計画では、今回ご紹介した防音性能検査を全棟で行うことを推奨しています。
実際にお施主様の前で検査を行いますので、ご自身の目で見て確かめてもらうことができます。
これなら入居後の不安も解消することができますよね。

意外と気が付かない「音」の問題。
暮らしやすさを手に入れるためにも、防音性能を高めた家づくりをしていきましょう。