「完全分離型」二世帯住宅とは?

専門家が教える!完全分離型二世帯住宅を成功させるコツを一挙公開

二世帯住宅には、

・完全分離型

・一部共有型

・完全同居型

と、大きく分けて3つのタイプがありますが、今回ご紹介するのは「完全分離型」です。

 

完全分離型二世帯住宅とは、親世帯・子世帯の住居がしっかり分けられており、玄関や水まわりなどのスペースも、それぞれの世帯で設けた間取りのことを言います。

共有スペースをつくらないため、それぞれのプライバシーが守られ、親世帯・子世帯ともに程よい距離感を保てるので、3タイプのなかで最も人気の間取りです。

 

しかし、完全分離型二世帯住宅で建てたのに、不満がある・後悔しているなどという話を聞いたことはありませんか?

完全分離型二世帯住宅を成功させるには、いくつかのコツがあります。

今回は、これまでいくつもの二世帯住宅の建築に携わった専門家の意見を参考に、後悔なく二世帯住宅を建てるにはどうしたらいいのかについて考えていきたいと思います。

 

3タイプ別・二世帯住宅のメリットデメリットを知ろう!

「完全分離型」二世帯住宅でよくある悩みとは?

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共有スペースを設ける「同居型」や「一部共有型」の二世帯住宅とは異なり、それぞれ独立した居住スペースを設ける「完全分離型二世帯住宅」。

一見、トラブルがなさそうに思えるのですが、実際のところどうなのでしょうか?

 

完全分離型二世帯住宅でよくある悩みやトラブルは以下のとおり。

◎生活音によるトラブル

◎義理の両親との対人関係による悩み

◎家づくりの際に打ち合わせが進まない

◎納得のいく家づくりができなかった不満

など。

どうしても親世帯・子世帯での考え方や価値観の違いによるトラブルが多く、それは住み始めてからだけでなく「住む前」つまり、打ち合わせの段階から始まることが多いと言います。

 

せっかくこれから仲良く二世帯で住むというのに、打ち合わせの段階から不安を抱いてしまっては大変ですよね。

この不安を放置したまま、そのまま家を建ててしまうと、不安から「不満」に発展し、完全分離型二世帯住宅を建てたことへの「後悔」が強くなってしまうのです。

とはいえ、各家庭によって様々な事情があります。

別々に暮らすよりも二世帯住宅の方が、金銭面にも将来的な生活面でも良いということもありますよね。

ではどうしたら、完全分離型二世帯住宅を後悔なく建てることができるのでしょうか?

「完全分離型」二世帯住宅を成功させるコツ①「打ち合わせは別々に」

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完全分離型二世帯住宅を建てる際に、間取りや使用する設備・建材について打ち合わせを行いますが、ここでよくあるトラブルというのが、双方の間取りに口を出してしまう…ということ。

 

たとえば、「キッチンはこうしたほうがイイんじゃない?」と、親世帯が子世帯へ意見したり、逆に子世帯が親世帯へ意見をしたりすることで、なかなか打ち合わせが先に進まないだけでなく、お互いの関係性も害してしまうケースは珍しくありません。

 

良かれと思って言っていることであっても、考え方や価値観の違いによって、ズレが生じてしまうものですよね。

打ち合わせの段階から揉めてしまうと、その後の生活が不安になるのは当然です。

しかも、この時のトラブルは、後々尾を引くことも多いので、結局「不満」が募ってしまうというわけです。

 

もちろん、あれこれお互いの居住スペースに口を出すことで、なかなか結論が出ないこともあります。

すると、打ち合わせが進まず、工期が遅れてしまうということもあるのです。

そうならないためには、打ち合わせを別々に行うということが重要です。

 

打ち合わせを親世帯・子世帯別の時間帯で行えば、お互いに遠慮せず本音で意見を言うことができます。

これにより、打ち合わせがスムーズに進むだけでなく、満足度の高い家づくりができるのです。

もっと言えば、夫婦別々に家づくりについての要望をヒアリングしておくと、後悔なく二世帯住宅を建てることができますよ。

「完全分離型」二世帯住宅を成功させるコツ②「間取りを工夫する」

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住み始めてから圧倒的に多いトラブルと言えば、生活音。

特にトイレやお風呂、キッチンなどから発する水まわりの音が気になるということから、互いの生活に口を出す原因になります。

日中は気にならない生活音も、シーンと静まり返った夜間は響きやすいので要注意です!

そんな生活音のトラブルを回避するには「間取りを工夫する」ことが1番。

 

たとえば…

・音が気になる水まわりは、上下階で同じ配置にする

・寝室の上に水まわりを配置しない

・人の出入りがある玄関や階段も寝室から離した間取りにする

・ウォークインクローゼットの上に水まわりやリビングを配置する

などの工夫が必要です。

 

水まわりについては、配管ルートをどれだけ寝室から離すことができるかで、大きく変わってきますので、完全分離型二世帯住宅を建てる際は、しっかりと間取りについても話し合っていきましょう。

「完全分離型」二世帯住宅を成功させるコツ③「防音・遮音性を高める」

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配管の問題や間取りの工夫だけでなく、防音・遮音性能を高めるというのも生活音トラブル回避には有効な方法です。

 

2階の床または1階の天井部分に防音材を入れたり、間仕切り壁に防音・遮音材を入れたりすると、より外部の音をシャットアウトできます。

ただし、防音・遮音性能を高めるということは、それだけ建築費用もアップするということ。

予算のことも視野に入れ、必要な箇所にだけ施工するというのが良いでしょう。

 

 

「完全分離型」二世帯住宅を成功させるコツ④「生活リズムを共有する」

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どうしても親世帯・子世帯とでは大幅に生活リズムが異なりますから、どちらかに合わせて行動するというのは難しいもの。

 

頭ではわかっていても実際に住み始めると、生活音というのは気になってしまうことが多いので、可能な限り、家を建てる前にお互いの生活リズムを共有し合うようにしましょう。

特に小さな子供のいる家庭の場合、子どもの成長と共に生活リズムが変化することも視野に入れておくといいですね。

 

建てた後では大幅に間取りを変更することは難しいですが、家づくりのプランニングの段階ならば、生活音問題に対する工夫をすることができます。

ここでポイントなのは、「より具体的に生活リズムを共有し合う」ということです。

具体的なイメージができれば、二世帯住宅に住み始めた後の様々な疑問も出てきやすいです。

そうすればより、生活音を回避するアイデアも色々と生まれるかもしれません。

 

そして、同時に細かな生活ルールについても話し合っておくと良いでしょう。

そうすることで、二世帯住宅を建てた後の失敗や後悔を極力回避することができますよ。

「完全分離型」二世帯住宅を成功させるコツ⑤「郵便受けを別にする」

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家の中の間取りについてだけでなく、玄関まわりも注意しましょう。

完全分離型二世帯住宅であれば、玄関もそれぞれ親世帯・子世帯でつくりますが、意外と盲点なのが「郵便受け」や「宅配ボックス」。

郵便や宅配便というのはプライベートな内容もあるので、共有にせず各世帯別々に設置する方がトラブルになりにくいです。

 

また、水道や電気などのメーターも別々にし、支払いも各世帯で行う方が良いでしょう。

なぜなら二世帯住宅の多くは、光熱費の支払い分担でトラブルになることが多いからです。

「完全分離型」二世帯住宅の家づくりで困ったときは?

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完全分離型二世帯住宅の家づくりをするにあたり、困ったな…と思ったときは、なるべく早く担当するスタッフに相談してください。

全体の打ち合わせでは、他の家族に遠慮して言えなかったことも、しっかり伝えておきましょう。

専門家としての視点から上手く双方の意見をまとめ、アドバイスをすることが可能なので、変なトラブルになりにくいと思います。

プランニングの段階で二世帯住宅に対する不安を解消していくことが成功への道ですよ。

悔いのない「完全分離型」二世帯住宅の家づくりをしよう

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家を建てるということは、一生に一度の大きな買い物です。

不平や不満を抱えていては、その後の生活が楽しくありませんよね。

完全分離型二世帯住宅であっても、様々なトラブルは生じてしまうもの。

しかし、今回ご紹介したように、事前にしっかり話し合いを重ね、それぞれの不安を1つずつ解消していくことで、大きなトラブル回避につながっていきます。

 

私たち無添加計画では、様々なカタチの二世帯住宅の家づくりを担当してきました。

その豊富な経験から、それぞれのご家庭に合った家づくりを提案させていただきます。

二世帯住宅というと、マイナスなイメージを持つ人も多いですが、メリットもたくさんあるものです。

今回ご紹介した成功のコツを参考に、二世帯住宅の家づくりについていま一度考えてみましょう。

親世帯・子世帯で納得のいく家づくりしたいとお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。