家のこと(新築)
2022.1.17. MON
地震に負けない家づくりをするために…構造・工法について知っておこう!
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地震に強い家づくりが必要なワケ
日本は、地震大国と言われるほど、各地で地震が起こっています。
小さい揺れも含めると、年間で2.000回ほど地震が発生していると言われており、年間地震件数は、世界で第4位となっています。
記憶に新しい大地震と言えば、津波で多くの死者がでた東日本大震災や、家屋の倒壊が多かった熊本益城町での大震災ですよね。
大きな地震が、次にいつどこで起こるか分からない今。
地震に強い家づくりをすることは、家族の命にもかかわる重要なことです。
注文住宅を建てる際は、耐震性能を意識した家づくりをすることが求められています。
しかし「耐震性能」と言っても、実際には家を建てるハウスメーカーによって採用している工法や建材・部材なども異なりますよね。
そこで今回は、地震に負けない家づくりのために、構造や工法など知っておきたいポイントについてご紹介します。
地震に負けない家づくり① 耐震?免震?どれがいい?
地震が起きたときに建物へのダメージを最小限にするための構造。
よく「耐震構造」や「免震装置」など耳にすると思います。
家の耐震性能を高めてくれるこれらの構造は、似ているようで全然違うもの。
それぞれ地震に対してどんな役割をするのか、家づくりする人は覚えておきましょう。
耐震とは…?
耐震とは、文字通り地震の揺れに「耐える」こと。
家の壁や柱、梁などを頑丈にすることで、地震の揺れに耐えられるようにつくります。
主に一戸建て住宅に多く採用されている構造です。
免震とは…?
免震とは、地震の揺れを建物に伝わりにくくすること。
基礎に取り付けた免震装置などにより、地震の揺れを吸収し、建物自体の揺れを減らします。
主にマンションなどによく採用されている工法です。
制震とは…?
制震とは、地震の揺れを吸収する”制震ダンパー装置”などを建物内部に組み込み、揺れを抑えることを言います。
言葉どおり、地震の揺れを吸収し、抑えてくれることで建物の倒壊を防ぎます。
特に高層ビルなどで採用される工法です。
高い建物は、上層階ほど地震の揺れが大きくなるので、その揺れを抑えてくれる効果を発揮してくれます。
減震とは…?
減震とは、建物に伝わる地震の揺れを最小限に減らすことです。
建物の重量と同じ分の地盤を取り除き、特殊な材料を敷き詰めることで、地震の激しい揺れから建物を守ります。
減震というと、実績のあるスーパージオ工法が有名です。
スーパージオ工法は、液状化現象にも対応しているため、液状化現象による地盤沈下で建物が倒壊する心配もありません。
地震に負けない家づくり② 基礎は「ベタ基礎?布基礎?」
家の土台となる「基礎」には主に以下の2つの種類があります。
建物を支える重要な部分ですから、耐震性を高めるためにどちらが適しているのか、比較検討するといいでしょう。
ベタ基礎とは…?
ベタ基礎とは、家の床下全面に鉄筋コンクリートの盤面を入れた工法のこと。
~主な特徴~
・面で建物を支えるので、地震の揺れに強い
・布基礎に比べるとコンクリートと鉄筋を入れる量が多いため、コストがかかる
布基礎とは…?
布基礎とは、平均台のように連続したコンクリートの面で土台を受ける工法のこと。
コンクリートで覆うという点は、ベタ基礎と同じですが、建物自体を支えるのは立ち上がっている鉄筋の部分のみになります。
~主な特徴~
・床部分に鉄筋を使わず、コンクリートも薄いため、ベタ基礎よりはコストを抑えられる
・面で支えるベタ基礎に比べ、布基礎は点で支えるため、耐震性に不安がある
ただし、布基礎だからダメとは一概に言い切ることはできません。
地盤を強化したり建物自体の耐震性能を高めたりすれば、布基礎でも問題ないことがあります。
地震に負けない家づくり③ 木造工法
地震に負けない家づくりをする際は、木造住宅を建てる工法についてもこだわりたいもの。
どのような工法があるのか、その特徴についてそれぞれ見ていきましょう。
2×4壁工法
2×4(ツーバイフォー)壁工法とは、2インチ×4インチの木材で作られた枠組みに、合板を貼った「面」で構造体をつくる方法のこと。
正式には「枠組壁工法」と言います。
壁、天井、床といった6面で建物を支えるので、地震の揺れを分散させることができます。
木造軸組み工法
木造軸組み工法とは、古くから日本で用いられている「在来工法」のこと。
柱を立て、梁を水平に渡して筋交いを入れて補強して構造体をつくっていきます。
面で支える2×4壁工法に対し、点で支えるのが木造軸組み工法。耐震面では2×4壁工法に比べると不安が残りますが、耐力壁をバランスよく配置したり、柱や梁を配置したりすることで耐震性能を高めることも可能です。
ハイブリッド工法
ハイブリッド工法は、2×4壁工法と木造軸組み工法の2つの「いいとこどり」をした工法のこと。
木造軸組み工法によって構造体をつくり、構造材の外側に耐力壁としてパネルを張り詰め、さらに必要な部分に筋交いを設けて耐震性を強化します。
点ではなく「壁」で建物を支えられるので、地震や強風でも家屋が倒壊する恐れがありません。
地震に負けない家づくり④ 地盤
耐震性能を高めた家づくりをしても、そもそも家を建てる地盤が弱いと地震による影響を受けてしまうことがあります。
まずは、家を建てる際に、土地の強度を知るための「地盤調査」を行いましょう。
地盤調査「スウェーデン式サウンディング試験」とは…
主に戸建住宅で行われているのが「スウェーデン式サウンディング試験」。
「SWS試験」「SS試験」などとも呼ばれ、現在戸建住宅の地盤調査として最も多く行われているものです。
スクリュー状の鉄の棒を地面対し垂直に立てて重りを載せ、一定の深さに到達するまでの時間などで地盤の固さを計測する方法です。
比較的コストも低く、精度も高いのが特徴です。
地盤調査の結果によっては改良工事が必要なことも…
地盤調査を行った結果によっては、改良工事が必要なことも当然あり得ます。
一般的な地盤改良工事の方法は主に以下の3つ。
地盤が弱い部分の深さや周辺の土地によって採用する工法が異なります。
◎表層改良工法…セメントを使用して地表周辺を固める工法のこと
◎柱状改良工法…円柱状に地盤を固めた改良杭によって建物を支える工法のこと
◎鋼管杭工法…鋼管を用いて地中から建物を支える工法のこと
そして、もう一つの地盤改良方法が、前述したスーパージオ工法です。
減震や液状化対策に効果的なだけでなく、資産価値を下げないというメリットもあります。
土地・建物売却等の際、柱状改良や鋼管杭等の従来工法では、産業廃棄物を排出するため、処理費用として200~250万円かかり、不動産価値を下げてしまうこともありますが、スーパージオ工法は杭を打たないので、部材を取り除くだけでOK。
多大なコストをかける必要がありません。
また、環境にやさしい素材を使用しているため、地球にやさしく、且つ組立てがしやすいのも魅力です。
どの工法で改良工事を行うかは、地盤改良工事を施工する会社や家づくりを依頼する会社に確認してください。
地震に負けない家づくりで家族の命を守ろう
今後30年以内に、大きな地震が起こる確率は非常に高く、70~80%と言われています。
私たち無添加計画があるここ岐阜県も、南海トラフ巨大地震の地域です。
決して他人事ではなく、日ごろから地震に対する備えをすることが大切です。
無添加計画では、全ての住宅で「耐震等級3」の家づくりを推奨しています。
ただし、耐震等級3の家だからと言っても、絶対安心とは言い切れません。
しっかりとした構造計算をし、家全体のバランスをとることで、より安心安全な家づくりをしているのです。
今回ご紹介した「ハイブリッド工法」や「SG工法(スーパージオ工法)」もその1つ。
大切な家族の命を守ることはもちろん、地震によって大切な財産を失わないためにも、地震に負けない家づくりをよく検討してみてください。
COLUMN
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