家のこと(新築)
2022.5.13. FRI
健康とコスパを考えた家づくりは必要?暮らしが豊かになるための4つのこと
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家族の健康とコスパを考えた家づくり
これまでの日本の家づくりは、いかに安く、いかに早く家を建てられるかという点が重要視されてきましたが、ここ数年、その価値観が変化しつつあります。
もはや「暑い・寒い・カビが生える」といった不快な住環境ではなく、「涼しい、暖かい、快適」な環境が求められているのです。
仕事もプライベートも、家で過ごす時間が増えた今。
より快適な暮らしを求めることは決して贅沢などではありません。
暮らしやすさは、家族の健康を守り、省エネから地球環境も守ります。
もっと言えば、健康が維持できることで医療費削減になり、過剰に冷暖房を使わないことで経済的負担も減らすことができますよね。
健康とコスパを考えた家づくりは、きっとこれからのスタンダードになるでしょう。
そこで今回は、どんな家づくりが健康を守り、コスパが良いのか、家づくりに大切なポイントを詳しくご紹介します。
健康とコスパを考えた家づくりが必要な理由
なぜ近年になって健康とコスパ重視の家づくりが必要とされるようになったのでしょうか?
家づくりを考える際に知って欲しい4つの理由をご紹介します。
【理由①寒い家はヒートショックの危険があるから】
気密性や断熱性が低い家によくあるのが、トイレや廊下、お風呂場や脱衣所などが極端に冷えるという現象。
暖房で温かくなったリビングと、これらの寒い部屋を移動するだけで血圧の急な変化が起こり、心臓に負担をかけてしまいます。
これにより引き起こされる脳疾患や心疾患のことを「ヒートショック」と言い、最悪の場合、命を落としてしまうこともあるんです。
ヒートショックで亡くなる人は、特に70代以上の高齢者に多く、交通事故で亡くなる人よりもはるかに多いことがわかっています。
これから迎えるであろう高齢化社会の日本にとっては、非常に深刻な問題ですよね。
たとえ命が助かったとしても、その後の医療費や介護負担を考えると、できる限り長く健康で暮らしたいもの。
そういった意味で健康とコスパを考えた家づくりはとても大事なことだと言えるでしょう。
【理由②寒い家はアレルギー疾患を引き起こしやすいから】
寒い家による健康被害は、ヒートショックだけではありません。
「冷えは万病のもと」と言うように、アレルギー疾患や冷え症なども引き起こします。
実際、断熱性の高い家に転居したのちに、鼻炎や乾燥による皮膚の痒みなどのアレルギー症状が緩和された…という研究データもあるくらいですから健康と住環境というのは密接な関係があると言えそうですね 。
【理由②冷暖房効率が悪くなって不経済だから】
気密性や断熱性が低いと、いくら暖房をつけても暖かい空気が逃げてしまうため、なかなか部屋全体を温めることができませんよね。
人は足元が冷えると体感温度が下がるので、もっと暖房を効かせようと温度設定や風量設定を変えてしまうでしょう。
暖房を必要以上に強くすればするほど、当然、電気代は上昇しますから不経済ですよね。電気代は年々上昇し続けていますから、家計への大きな負担となってしまいます。
【理由③低気密低断熱住宅はカビやダニが発生しやすいから】
断熱性や気密性の低い家だと、部屋と部屋の気温差が生じやすくなるため、壁や床の表面温度が低くなり、結露が発生しやすくなります。
結露は水分を多く含んでいるため、カビが発生しやすくなることも…。
特に冬場は、寝室の窓、玄関ドアなど、ポタポタと雫が垂れるほど結露が発生しているお家も少なくないと思います。
そしてこのカビが多く繁殖する環境というのは、カビを餌にするダニも繁殖しやすくなるので、気付かないうちにカビやダニと共存していることになるんです!
室内の空気がカビの胞子やダニのフンで汚染されていると思うと、ゾッとしますよね。
私たちは食べ物や飲み物以上に「空気」を口にして生活しますから、このような汚染されている空気を吸い続けることでシックハウス症候群など、深刻な健康被害が現れてしまう危険もあります。
さらにカビ、ダニが発生しやすい湿気を帯びた家というのは、家の劣化を早めてしまうこともあるので、耐久性という面でも適度な湿度、温度環境になる家づくりが必要なのです。
健康とコスパを重視した家づくりの4つのポイント
これまでご紹介したように、私たちが住む家というのは、そこに住む人の健康と経済的負担を大きく左右します。
せっかく家を建てるのであれば、健康や家計の負担が増えてしまうような家ではなく、本当の意味での「快適性」を求めたいですよね。
ではどうしたら、健康で経済的負担を極力抑えた家づくりをすることができるのでしょうか。
これからご紹介する4つのポイントを参考に、健康とコスパを重視した家づくりを目指してください。
【ポイント①断熱性・気密性を高める】
まずは断熱性、気密性を高めた家づくりをしましょう。
カビやダニの発生を防ぐには、相対湿度を60%以下に保ち、なおかつ、健康面を考慮するのであれば、冬の室温を21℃以上に保てるようにするのがおすすめです。
具体的に言うと、
◎合板フローリング→無垢フローリングにする
◎アルミサッシ→樹脂サッシにする
◎断熱材を隙間なく入れる
◎壁や床下、天井の気流止めをする
◎天井または屋根の断熱補強をおこなう
など、断熱性と気密性を高めれば、冷暖房効率も上がり、「暑い、寒い」といった不快さを解消することができるでしょう。
さらに冷暖房効率が上がることで電気代も節約できます。
樹脂窓や無垢フローリングを取り入れると単純に建築費が高くなるイメージがありますが、長い目で見れば電気代の節約になり、実はとてもお得に暮らせるんです。
もちろん、暑さ寒さが解消されるので、経済面だけでなく様々な健康被害による医療費負担も削減されるはずですよ。
【ポイント②夏の日射遮蔽、冬の日射取得を考える】
断熱性と気密性だけでは家の快適さを保つことは不十分です。
これに加え、夏の日射遮蔽、冬の日射取得を考えることが大切です。
なぜかというと、高断熱住宅にしただけでは冬は快適になるけれど、夏はもっと暑くなってしまうから。
夏の直射日光というのはとても強いので屋根の表面や窓に当たっていると、それだけでなんと60℃を超えてしまうこともあります。
そしてその強烈な輻射熱が襲ってくるため、まるで真夏に電気ストーブにあたって暮らしているようなものになってしまいます。
これではいくら冷房をつけても室温が下がっていきませんよね。
これを防ぐには、夏の日射遮蔽について考えた家づくりにすることが大切です。
たとえば、
◎南面の窓には日射を遮る庇、アウターシェードを設置する
◎窓は断熱型の複層ガラスを使用する
などの対策が必須でしょう。
南面の角度によって日射遮蔽の方法を検討するのも1つです。
こうして、夏、冬どちらも快適に暮らせるよう、設計の段階から工夫することが必要です。
【ポイント③適切な冷暖房計画を行う】
家を建てた時、多くの人が、リビング、寝室、子供部屋、書斎…など、各部屋にエアコンを設置しますよね。それだけ数台ものエアコンを購入し、定期的に買い換えたら、本体費用だけでかなりの金額になってしまうでしょう。
その上、それぞれの部屋の温度湿度を快適に保つため、24時間冷暖房をつけっぱなしにしたら…?考えるだけでも毎月高額な冷暖房費を請求されることがわかりますよね。
このように各部屋でエアコンを稼働させるというのは、実は非常に燃費の悪い使い方。
自動車でいえば、渋滞にはまった時の「トロトロ運転」のようなものです。
これを解消するには、できる限り台数の少ないエアコンで家全体を快適な室温にするよう設計することが必要です。
家づくりの段階から冷暖房計画をしっかり行いましょう。
「暖かい空気は上に行く、冷たい空気は下に行く」という性質を生かし、夏用エアコンは小屋裏に、冬用エアコンは床下に設置するなど工夫するのがおすすめです。
家づくりの際は、このような冷暖房効率まで考えてくれる設計士に依頼するといいですよ。
【ポイント④太陽光発電システムを取り入れる】
一般的な4人家族世帯の月々の電気料金は、 と言われています。(※)
しかし電気代は年々上昇傾向にあり、加えて地球温暖化の影響から夏の冷房利用時間も増えているため、電気使用量も増加傾向にありますよね。
つまり、将来的なことを考えたら電気代は減るよりも「増える」と考えてほぼ間違いないわけです。
だからこそ、少しでも電気代の負担を減らし、快適に暮らすためには、太陽光発電システムを取り入れて自家発電をするのがおすすめです。
「電力を自給自足する」という暮らしができれば、買電量をグッと抑えることができ、家計への負担も減らすことができます。
また、万が一の災害時にも役立てることができるでしょう。
ただし、太陽光発電システムを取り入れるということは、高額な費用がかかる心配がありますよね。
実際、一般的な家庭で設置した場合、130~150万円ほどかかると言われていますから、初期費用の負担は大きくなってしまいます。
しかし現在では、初期費用0円で導入できる「リース型」もあるので、導入時の負担を軽くすることが可能です。
リース契約期間内であれば、破損時も自己負担なし、契約満了後はそのまま自分の所有物になるというメリットも。
電気代を気にして冷暖房を我慢し、体調不良を引き起こしては意味がありませんから、家づくりの際に導入を検討してみるといいかもしれません。
太陽光発電システムは、後付けも可能ではありますが、屋根材との相性もあります。
また、住宅の立地によって必ずしも設置して「お得になる」という保証はありませんから、事前にシミュレーションなどを行っておくといいと思います。
(※)参考資料:
総務省統計局HP「家計調査/世帯人員・世帯主の年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出」より
健康とコスパを考えた家づくりは暮らしやすさが◎
ただ漠然と「こんな家に住みたい」という理想を持つのではなく、その中には暮らしやすさを追求することも必要です。
私たち無添加計画の家づくりでも、今回ご紹介したように、健康とコスパを考えた家づくりをご提案しています。
無垢材や漆喰など耐久性に富み、私たちの体に優しい素材を使うことで快適さもプラス。
本当にその家に住む人にとって何がいいのか?を常に考えながら家づくりをしています。
人生100年と言われる今だからこそ、耐久性に劣る健康リスクの高い家を建てるよりも、性能を重視した家づくりをした方がこの先何年も安心して暮らすことができますよね。
今回ご紹介したようなことを参考に、家族の健康と将来のことを考えた家づくりをぜひ検討してください。
COLUMN
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